宇宙から・地上から地球を見つめる:リモートセンシング


■リモートセンシングとは

  リモートセンシングとは読んで字のごとくリモート[=離れた場所]をセンシング[=計測]することです。
  よって、天気予報でよく見かける衛星写真でおなじみ、宇宙から地球を観測している地球観測衛星のほかにも、気球観測・航空機観測、さらにはWebカメラのような地上カメラを用いた観測なども、すべてリモートセンシングに含めることができます。
  リモートセンシングで得られる情報には色々なものがあり、代表的なものとしては
  • 可視光 − 目に見える光
  • 温度 − 熱赤外(黒体放射を利用)
  • 大気成分 − オゾンなど(分光解析を利用)
のようなものが挙げられます。これらを計測するためのセンサを人工衛星の上や気球・航空機など様々な場所に設置して観測を行います。

図1:地球観測衛星 ALOS (通称:だいち)
  左の図は日本で開発し打ち上げられた地球観測衛星 ALOS(通称:だいち)です。
  この衛星は重量約4トンの大型衛星で、高度692km、周期99分で北極と南極を結ぶ軌道上を周回周回しています。この衛星には
  • パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
    観測幅直下70km 地表分解能2.5m
  • 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
    観測幅70km 地表分解能10m
  • フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSER)
    観測幅30km 地表分解能30m
の3つの地球観測センサが搭載されており、これらのセンサがそれぞれ地球の立体映像・衛星写真・地殻変動を常時観測し、電波にのせてそのデータを地上の受信局へ送り続けています。
  このような人工衛星上に設置されたセンサから得られる観測値は、はるか上空から地表を観測しているため広範囲の面としての観測値を得ることが可能です。これはある1地点の観測値しか得られない地上でのリモートセンシングには無い大きな利点です。
  しかし、はるか上空から地表を観測しているために、分解能や観測値の精度が不十分だったり死角となっている場所が多々あります。
  そこで、すこし地球に近づいた場所で行われる地上観測が重要になってきます。地上観測にはいくつもの種類がありますが、よく使われるものとして次のようなものがあります。
  • 地上0km〜30km近辺 - ゾンデ(気球)
  • 地上10km近辺 - 航空観測
  • 地上数m - カメラ
  • 地上0m - 海洋ブイ/気象観測船
  これらの観測機から得られる観測値は、衛星から得られる観測値に比べるとまさに点でしかありません。しかし、(まともな計測機器を用いれば)衛星よりはるかに精度の高い計測値を得ることが出来、しかも観測位置もcm単位で正確に決定できる、という衛星観測には無い利点があります。また、宇宙からは死角となるような山岳地帯の傾斜面も観測することも可能です。これらの利点を活用し、衛星から送られてきた観測値を地上観測値で補正したり、衛星の観測値から大まかな予測を立てた後に地上観測を行うことで、無駄な観測を最小限に抑える、ということがよく行われます。
  衛星から送られてきた広範囲な面の観測値を、点である地上観測値で補正することで正確な値に補正することが出来れば、良い精度を持った広範囲な面の観測値を得ることが出来ます。
  また、地上観測を行う前に予測をたてることが出来るようになれば、費用を最小に抑えつつ最大の成果を得ることが出来るようになります。
  このように、衛星観測と地上観測を組み合わせれば、広範囲な精密観測値による天気予報の精度向上や、良い漁場の推測、さらには、近年問題となりつつある山岳地帯に捨てられている産業廃棄物の分布予測といった、様々な分野での応用が可能となります。

図2:Webカメラ・海洋ブイ・航空観測機
  以上のように、リモートセンシングにて研究対象となっている情報は、人工衛星による観測だけでなく、地上観測や海上観測など、様々な領域が対象となっています。 これらの観測値には膨大な量の情報が含まれており、適切に解析することにより様々な分野に応用出来る可能性を秘めているものではありますが、様々な分野での応用に耐えうるだけの精度をもった情報を得るのはそう容易いものではありません。
  そこで、本研究室では、様々な手段によって収集された情報を元に、様々な分野の方々が簡単にリモートセンシングデータを利用できるようにするシステムの開発を進めています。
ここでは、その中から人工衛星をベースにした研究から1つ、それと地上観測をベースにした研究から2つ、
  • 高精度海表面温度画像の自動作成システム
  • 青森県ライブカメラ システム
  • 不法投棄地点の地理的特徴の推定
に関する研究成果の一部をご紹介します。

■高精度海表面温度画像の自動作成システム

■青森県ライブカメラ

  県内15カ所で稼働中のライブカメラの画像を掲載しています。
  過去約5年分のデータを蓄積しています。
  また画像から1時間ごと、1日ごとの動画も作成し公開しています。
  今後さらに使いやすいものとなるように随時改良しています。

■不法投棄地点の地理的特徴の推定